転倒時の衝撃緩和機構を備えたヒューマノイドロボット

ヒューマノイドをはじめとする不安定なロボットは転倒のリスクが高く,ハードウェアの損傷が懸念されます. これに対して,小型ヒューマノイドロボットに取り付ける様々な衝撃緩和機構の開発,制御に取り組んでいます.
折り畳み傘による衝撃緩和
転倒時に頭部に取り付けた折り畳み傘を開くことで,広げた傘にて機体を支え,衝撃を緩和します. ロボットに搭載された3軸加速度・3軸ジャイロセンサにより転倒を検知・予測して傘を開きます.その後転倒後の姿勢に対応した復帰動作を行い,最後に傘を閉じることで転倒前の状態へ戻ります.折り畳み傘を活用することで,可逆的な衝撃緩和機構を実現できます.
車輪による衝撃緩和
外周が柔らかい素材でできた車輪による衝撃緩和機構に取り組んでいます.肩部に柔らかい車輪を取り付けることで,手を使わずに転倒の衝撃を緩和できます.それによって手で把持した物体を落とすことなく,転倒に対処できます.また不整地にて転倒した場合に,そのまま車輪で平地まで移動した後に起き上がります.このように歩行では転倒しやすい地形を車輪移動で踏破することで,再度の転倒を回避します.
動画
折り畳み傘による衝撃緩和
転倒後の姿勢に応じた起き上がり動作
起き上がりから傘を閉じるまで
歩行中の転倒に対する動作
車輪による衝撃緩和
段差による転倒から起き上がりまで
スロープでの転倒から起き上がりまで
研究ポスター
関連文献
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増渕 泰樹, 工藤 俊亮, 木村 航平.折り畳み傘の開閉機構を活用したヒューマノイドの転倒時の衝撃緩和および復帰動作.計測自動制御学会論文集.Vol.61 No.1 pp.32-45
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増渕 泰樹,工藤 俊亮,木村 航平.折り畳み傘を活用したロボットの転倒時の衝撃緩和および復帰動作.第24回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会 (SI2023).2023.3H2-03